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映画『怒り』考察③

しばらく『怒り』の考察はお休みと申した矢先ですが、書き溜めていたものがあったので、更新します。

 

『怒り』の小説では、北見警部の心情が結構描かれています。

映画では、あまり登場しないんですけどね。

 

小説では、映画では登場しない「美佳」という女性が登場します。

この女性、北見が不在時に愛猫を世話している女性なんですが、時に北見とデートをする仲。

しかし、過去に何かあったらしくそのことを詮索しないという条件の下、北見は二人の関係を続けていきます。

 

しかし、猫の死をきっかけに二人の仲は引き裂かれることになります。

物語の終盤、北見の愛猫が死んでしまった時、美佳が北見の家にやってきます。

北見の目の前で猫の死を悲しむ姿に対して、彼は「目の前にいる人は誰なんだ」と疑問を抱くようになります。

なぜこのような感情を北見は抱いたのか、

それは、猫が死ぬまでは詳しい素性はわからないが、猫の世話をしてくれる美佳、それだけの存在だったのである。

しかし猫が死んでしまった以上、そこには素性の知れない女が目の前にいるだけなのである。なぜなら、彼女が素性を調べないで、と北見にお願いをしていたからである。

 

猫が死ぬ前まで北見と美佳を繋ぎ止めていたものは「猫」それだけだった。

だから、北見はその事実を受け入れたくなかった。

 

それを分かった上で北見は「全てを知った上で信じたい」と美佳に想いを伝える。

※本当は、北見は美佳のことを何も調べていない。

猫だけで繋がれた関係を断ち切りたい北見は、あえて嘘をついたのである。

しかし、二人の約束は美佳のことを調べないという約束の下で繋がっていた関係なので、美佳はその約束を守ってくれると信じていた。

ゆえに、全てを知ったという北見の行動は美佳にとって、裏切られた行為だったので彼女は北見の元から離れて行ったのである。

 

 

 

 

以上。